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強者と弱者は惹かれ合う【東リべ夢】〘柴大寿夢〙

第2章 珍カップル、有名になる




本能が彼だと、彼が欲しいと言っているから。

体を離して、大寿君を見つめる。

何も言わずに、大寿君は私のメガネを優しく外した。

「何か場所が場所なだけに、緊張しちゃうね」

「そうか? 期待してる顔に、見えっけど?」

挑発するような、誘うような色に揺れた大寿君の鋭い瞳が私を惑わせる。

大きな手が頬を撫で、耳をなぞる。

「んっ……」

「お前ってこういう時、普段のボケッとした顔からは想像出来ねぇくらい、エロい顔するよな……」

「そうだとしたら……それは大寿君のせいだね……」

大寿君の首に手を回して、素直に彼の顔に近づいていく。

ゆっくり触れた唇は、相変わらず柔らかく私を受け入れる。

神聖な場所で、何度もキスをする。

いやらしく絡むその行為は、愛を誓うと言うよりは、禁忌を犯しているような、そんな気分。

こんな場所ですら、私の欲は膨れ上がる。

早く、彼のモノになりたいのに、なれないもどかしさ。

そもそも、彼は私をどう思っているのか。

好きなのは私だけ。だから、ちゃんと好きになってもらえたら、彼のモノになれるのだろうか。

その為に、私はどうしたらいいんだろう。

「っ……はぁ……考え事か?」

「ンっ、はっ、大寿っ、君の事……しか……ぁ、考えなっ、んんっ……」

「へー……そんなに俺を好きか? ん?」

答えようにも唇を塞がれ、舌を絡められて答えられずに、首を縦に何度も振るしか出来ない。

激しさを増すキスに、息をするのが精一杯で、頭が朦朧として来る。

体が熱くて、頭が痺れて疼く。

「おら……腰、動いてんぞ……。キスだけでトロけてんじゃねぇかよ……はしたねぇなぁ……」

腰を撫でて、お尻へ手が滑るだけでゾクゾクとした感覚が登ってくる。

「キス、きもちぃ、から……ぁ、んっ、もっとぉ……」

「んっ……こらっ、がっついてんじゃ、ねぇっ……っ……」

唇に食らいついて、大寿君の熱を求める。

噛み付くみたいなキスが返って来て、また彼のペースに引き込まれていく。

帰る頃には何もかもがトロトロに溶けるみたいで、体に力が入らなかった。

そんな私を、大寿君は優しく抱き上げて笑う。

そこからは、どう帰ったかなんて分からなくなっていた。

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