第9章 ディルド

「痛…っ」

でもそんな甘い雰囲気を壊すように悲鳴にも似た声が上がった。胸をキツく吸い上げられたのか悶えるように体が大きく跳ねた。

「……こら、宮君？」
「俺の存在無視したらあかんやん」
「でも痛がることはしないで」
「…大丈夫、です」
「俺から見たら気持ちよさそうな顔に見えるけど。なぁ、いちかちゃん、次は俺の方見てて？」

視線が宮君に向くだけでたまらなく嫉妬してる自分がいる。ふと浮かぶ“どっちの方が気持ちいい？”なんてのは愚問だけどここで引くわけにはいかない。

「このまま脚、開けるかな？」

体のラインをなぞっていた手をお尻に回して浮かせる。座ったままM字に開脚させてその隙にショーツを剥ぎ取った。微かに抵抗するように体が緊張する。

「あ、…っ、待って…」
「ごめん、俺も宮君には負けてられないから。もっと気持ちよくさせた口なっちゃったもん」
「ほな、もうイカせよか？及川君」
「ん、そうだね」

閉じようとする脚を腕固定して両脚の中心へと指を滑らせた。愛液がねっとりと絡まる。そこは想像以上の蕩け具合だった。

「大丈夫だから。いちかちゃんの体は素直に反応してくれるから」
「でも、恥ずかしい……。こんなの、無理」
「俺らには可愛く見えてるで？こんな姿見せられて我慢すんのもめっちゃ辛いんやで」
「…っ、ごめんなさい」
「大丈夫。謝らなくていいから、ね？」