第5章 第四話 黒の教団壊滅事件!?
………………。
どうしてそんな思考になるのか。
いや、コイツはコーヒーを飲んで暴走中だからか。
「コ、コムリン…!なんと素晴らしいんだ!!」
「何いってんスかあんたはぁぁぁ!!!」
喜んでいるコムイの頭を思いっきり叩いたリーバー。
「しゅ、周助えぇぇ!!」
「ハッ!彩音!!」
全員が凍りついているその隙に、ユキサと彩音の体は徐々に手術室へと近づき…。
「イノセンス…発動!!」
不二が我に返った時には、羽のイノセンスを発動したユキサと彩音が、手術室へと運び込まれてしまった。
「ツギ、アレン・ウォーカーノショチヲカイシスル」
続けて捕らえようと襲いかかってきたコムリンを、アレンが間一髪で避ける。
どこでもいいから逃げろ!というリーバーの言葉を聞いて、アレンは駆け出した。
それを追いかけるコムリン。
槍を手にしたまま、不二は黙って立っていた。
「………」
「お、おい、不二…?」
ただならぬオーラを纏っている不二に、リーバーが恐る恐る声をかけると、不二がコムイへ振り返る。
「2人に何かあったら…ただじゃおかない」
す、と開眼した不二の目は、人を殺せるような殺気を放っていた。
そして次の瞬間、物凄いスピードで部屋を出ていった。
うわあああああああ!!!!
教団内に響き渡る悲鳴。
逃げ続けるアレンを追いかけるコムリン、…を追いかける不二。
「…すばやいな」
なかなか追いつけない不二がどうしたものか、と考えていると、アレンの前に小さなロボットが飛び出てくる。
そのロボットから聞こえてきたのはジョニーの声。
倉庫に迎えと指示が飛び、ぬっと出てきた65号の案内の元、アレンは倉庫へ向かう。
そのアレンを追いかけるコムリンを追って、不二も倉庫へ向かった。
ガタガタ揺れている真っ暗なコムリン内で、ユキサは自らと彩音を羽で包んでいた。
コムリンが言っていた洗脳、という言葉に、何かされるのではないかと判断しての防御体勢だ。
現に、ありとあらゆる機械のコードが、ユキサの羽を引き剥がそうとしている。
「ユキサ…」
「大丈夫…」
外からはアレンの叫び声と、たまに聞こえる不二の声。