第4章 第三話 災いを呼ぶもの
「リナリー!」
「あ、2人とも!」
ちょうどよかった、と言うリナリーに2人は首を傾げた。
しかし先程一緒にいたはずのアレンの姿が見えないと、リナリーも首を傾げる。
「アレンくんは?」
「それが…」
事情を話そうとした所で、トマが慌てたようにやってきた。
どうやらトマも、アレンを探しているようで、トマにも事情を話す。
話を聞いて、トマが慌てて言った。
「呼び戻さねば危険です…!先程、ジャンを見張っていたファインダーの1人がAKUMAに殺されたと、連絡が…!」
「ジャンの友人のレオという少年の母親が、最近亡くなっています。ジャンを見張っていたファインダーを殺したAKUMAは、おそらく…」
街中を走りながら言うトマ。
後ろを走るのはリナリーの他に、彩音と不二。
AKUMAの話は彩音と不二も昨日、アレンから聞いていたため、トマの言わんとしている事は分かった。
教団にてアレンを追うとなった時、リナリーには2人は教団で待つように言った。
しかし不二が、一緒に行きたいと申し出た。
彩音自身もアレンが危ないかもしれない事には心配ではあったが…。
「(周助…いったいどうして…?)」
不二が行くならと彩音もついてきたが、不二の考えが分からない。
不二の顔を伺いながら、彩音も遅れないように走る。
と、走る4人の元にティムキャンピーが飛んできた。
何処かへ案内しようとしているティムキャンピーに、4人は足を早めた。
そしてアレンの元へ辿り着いた時。
暗がりに立つハット帽を被る、人なのか何なのかわからない者・千年伯爵の言葉に、4人はその場に立ち尽くした。
「お前はアレン・ウォーカー!父親をAKUMAにした、あの時のガキですねェ~!」
アレンが、父親を…?
「…。血の繋がりはなかった」
伯爵の言葉に続けたアレンの話は、悲しいものだった。
―――――立ち止まるな、歩き続けろ。