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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第23章 第二十二話 アルマ・カルマ


―――――だけど、これがあれば助かる。
『あの人』に、会いたい…!!!

ドガァン!とユウのいた部屋の扉が壊された。
血を滴らせながら、ユウがゆっくりと歩いていく。

小さく舌打ちをしながら、どうする?これからとユウは考えていた。
そこに小さな機械音が聞こえてくる。

「こいつ…あの時の?」

台に寝かされていたのは、マリ。
AKUMAとの戦いで瀕死の重傷を負ったマリは、実験体にされようとしていた。
死にかけているのか?とユウが血に塗れた手でマリの傷へ触れたその時。

ドクン!と大きく心臓が動き、マリがう…と呻き声を上げた。

「ええぇぇえぇ!?」
「ん?その声…こないだの坊やか?」



狭い通気孔の中を、ユウがマリを背負って腹ばいで進む。
それにしてもすごい力持ちだなぁ坊やと言ったマリに、ワケありの体でなと短く答える。

「…アンタ、落ち着いてんだな」
「エクソシストの人造化のことか?」

全然…怒りで気が変になりそうだとマリは言った。
マリにはユウの知っている事を話した。

「それでも、なんとか正気でいるのは…キミのおかげかな」

キミがそばにいてくれてるからだよ。
独りだったらどうなってたかわからない。

マリの言葉にユウはアルマを思い出し、ユキサが無意識にアレンの手を握っていた。
アレンも黙ってその手を握り返す。

アルマ…。
あいつを連れて、ここから逃げよう。
教団も戦争もどうでもいい。
怒りも恨みも全部飲み込んでやる。
あいつと一緒だったら、きっと…!

「ユウッ!!無事だったんだね!!」
「アル…」

嬉しそうな声。
いつも聞いていたあのやかましい声。
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