第20章 第十九話 黒の教団壊滅事件再び!?
あぁ、愛おしい…気持ちいい…。
この温もりを手放したくない。
大好きなこの人を誰にも渡したくない。
必死にキスに応えながら、彩音はギュッと指を絡ませた手を握った。
ふと、不二が右手だけ放す。
彩音は続くキスの合間に少しだけ意識をそちらに向けるが、ボーッとする頭ではほとんど思考がまわっていない。
熱い…体が…。
不二の右手が、彩音の尻尾を掴んだ。
「あぁっ…!」
びくりと大きく体を揺らし、唇が離れた。
随分と敏感なんだなと不二はそのまま尻尾を優しく撫でる。
潤んだ瞳で彩音が不二を見上げた。
「彩音」
「な、に…?」
「僕は今から君を抱く。嫌ならすぐに言って。…まだ自制が効く間に」
言われた言葉に彩音は驚いて目を丸くした。
嫌なんて、私が言うわけがないのに…。
少しだけ不安そうに見つめる不二に、彩音が小さく笑った。
「さっきまでの勢いはどうしたの?」
「それは…その。彩音の姿が可愛くて」
つい…と言った不二に彩音がくすくすと笑った。
そんな周助も可愛いなぁと思いながら、彩音が両手を広げる。
「周助、私は大丈夫」
「彩音…」
「お願い。私を愛して?」
その言葉を聞いて不二が彩音を強く抱きしめた。
やめてと言っても今更やめられないよ?という不二の言葉に、彩音はキスで大丈夫だと伝えた。
「優しくするよ」
「周助が優しい事は知ってるよ」
「でも僕も男だからね…」
油断すると可愛い彩音の前では理性が保てなくなるかも。
そうは言ってもなんだかんだ優しい事も彩音は知っている。
何度目かのキスを受け止めながら、彩音は目を閉じた。