第20章 第十九話 黒の教団壊滅事件再び!?
「はぁ、はぁ…」
「ユキサ、大丈夫かい?」
不二の問いに、大丈夫と答えてアレンと神田をその場に降ろす。
あの爆発の時、不二はなんとか回避して、ユキサがアレンを救出した。
気を失っているアレンと、体が小さいとはいえ神田の2人を抱えるにはだいぶ無理があったが、ジョニーを抱えた不二と共に全力であの場から逃げた。
そのせいで他の者とははぐれてしまったが…。
ある一室に隠れたユキサたちは、息を潜める。
外は比較的静かな事から、ゾンビ(団員)たちはあまりこちらには来ていないようだった。
「はぁっ…これからどうするの…?」
「とりあえず感染源を見つけないと終わらないよね」
「その感染源をどう探すかが問題だがな」
不二、ユキサ、神田がそんな会話をしていると、アレンがぴくりと動いた。
起きたのかなとユキサが近づくと、突然アレンの目が開いてクロウリー!と叫ぶ。
咄嗟にユキサと神田がしぃーーーーっ!!!とアレンの口を手で押さえた。
「あれ…?こ、ここは?皆は!?」
気を失っていたアレンをユキサが運んだ。
爆発で皆とはぐれて、今ここにいるのは7人。
状況を聞いたアレンが7人?と首を傾げたので、ユキサたちが一方向を指差す。
そこには体育座りをして、ゴ主人守レナカッタ…と静かに泣くコムリンEXの姿があった。
不二の服の中からはプハッと彩音も顔を出す。
「夢、か…」
「アレン…? …!!」
呟いたアレンに問い返すも、ユキサが背後…つまり扉の方から気配を感じて振り返った。
このイノセンスの気配は…クロウリー?でも何か…。
ユキサの行動に神田がどうしたと問いかけようとした時、コンコン…と扉が叩かれる音がした。
バッ!!と全員がその場から退く。
「アレン…」
「この声は…!クロウリー!?」
ずっと眠り続けていたクロウリーが起きた!
しかし嬉しい反面、全員が疑いの眼差しを扉へ向けている。
教団内が今こんな状態の中、クロウリーだけが無事な保証は無い…。
ドアを開けてくれ…と聞こえてくる声に、コムリンEXが開けるべきではないと言った。
しかしアレン、神田、不二がずい、とコムリンEXを扉の方へ押す。