第16章 第十五話 スキン・ボリック・ルーム
「ぐっ…!」
首を掴まれ、ユキサは苦しさに藻掻いた。
途端にバチィィ!!!と電流が走った。
「かっ…!!!あ、あぁぁ…っ!!!」
「このまま首を焼き切ってやろう」
治癒が追いつかない。
徐々に薄れていく意識を必死に繋ぎ止める。
神田を…皆を…救う力…。
イノセンスと…もっとシンクロを…!!!
パァッとユキサの体が光り出す。
「…『フルキャパシティ・ブースト』」
「何!?がっ…!!」
ブワッとエネルギーが爆発し、ユキサの体から水晶の羽が飛び出す。
スキンの鎖が出てきてる箇所から羽が飛び出し、スキンの体を貫いた。
死ね!!死ね!!と雷撃を放つスキンに耐えながら、神田…とユキサが呟く。
瞬間、閃光が走った。
神田の六幻がスキンの体を貫く。
「おぉおおおおっ!!!」
そこから力の限り縦に下ろし、最後に斬り上げた。
ユキサから手を離したスキンはそのまま地面に倒れていく。
咄嗟に手を伸ばした神田も、抱えたユキサと共に地面へと倒れ込んだ。
「ぐ、あああ…!!体が…イノセンスの野郎に犯されていく…!!」
どんどん崩れていく体に、スキンが叫び声を上げる。
近くへ歩いてきた神田に、スキンがニヤリと笑った。
「だが…お前のイノセンスももう…使い物にはならねェ…な…」
スキンの雷を食らいすぎた六幻は既に刃こぼれを起こし、今にも崩れ落ちそうになっていた。
ピキッと体が硬化したスキンを見ながら、神田はぽつりと呟く。
「ノアは不死、か…そんなデマ、誰が言ったんだかな」
人は死ぬものだ。
―――――人で在る限り、な。
さらさらと鎖が消え、この地に雪が降り始めた。