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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第15章 第十四話 江戸


彩音が壁を背に座りながら不二と会話をしていた。
しかし彩音は少し落ち着かない様子でもあった。
不二のあの異変があってから、どことなく距離があるような…。

とはいうものの、自分の体の異変の事もある。
別世界から来た自分たちには何かしら特殊なものがあるのだろうか。

ちらりと不二の様子を伺えば、不二は自分の髪をつまんでいる。

「周助?」
「あ、いや…銀髪になったって言ってたから」

不二も自分の異変を気にしているのだ。
今は銀髪じゃないよ、と彩音が答える。
ふと、彩音が何もなくなってしまった江戸の街を見た。

「江戸…無くなっちゃったね。きっと江戸だけじゃなくて、どんどん日本はAKUMAに…」
「それでも僕たちは生きてる」

うん、と彩音が頷いた。
自分たちはここで生きている。
生きている限り、戦い続ける。
これからも生きるために。



「アレン、無事で良かった」

リナリーの傍で治癒魔法を使ってたユキサがポツリと言った。
同じようにリナリーの傍にいるアレンが優しい笑みを浮かべる。

「ありがとう。…ユキサも元気そうで良かった」
「アレンがあのノアに襲われた時は本当に…」

互いの情報を共有した時、ユキサや彩音の体の異変については聞いている。
見ていたであろうあの場面を思い出し、ユキサは小さくふるふると首を振った。
そっ…とアレンがユキサの手を取る。

「心配かけてごめん。でも、僕はもう大丈夫だから」

ユキサがうん、と頷きかけた所で、アレンの首元へと刃が光った。
にやり、とアレンが悪い顔をする。

「神田ぁ。何かご用ですか?」
「その手を離せ」
「なんで神田にそんな事言われないといけないんですか?」

関係ないでしょ、とニヤニヤしてるアレンに神田の眉間の皺が深くなる。
自分の手が原因なのかとユキサが慌てて手を離した。
離れた手を今度は神田が掴み、ユキサを立ち上がらせる。
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