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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第8章 第七話 終末への幕明け


いきなりかなりの量を飲んだために少しふらついていたが、意識ははっきりしているようだった。
おおー!と周囲から歓声が上がる。

「ユキサは酒に強そうだな!顔は赤いが」

酒が気に入ったのかユキサは、もっと飲めと勧められるままに飲んでいる。
傍では彩音が心配そうにユキサを見ていた。
前回の失態があり、彩音は酒は飲まないようにしている。

「周助…ユキサ、大丈夫かな?」
「ちょっと気をつけてみておいた方が良さそうだね」

彩音の酒癖を思い出しながら何事もない事を祈る2人だった。



だが、そんな思いも虚しく散ってしまった。

「あっつぃ…」
「ちょ、ユキサ!?」

元々暑さが苦手なユキサ。
酒の熱さにボーっとしながら羽織っていたカーディガンを脱ぐ。
それだけならまだしも、そのままシャツも脱ぎ始めようとしたのだ。

周囲はその様子にごくりと唾を飲み込む。
瞬間、ギロリと不二に睨まれ、バッと顔を背ける団員たち。

「ま、待って待ってユキサ!それ以上はダメだって!」
「なんで?あついんだけど…」

首を傾げたユキサを必死に止める彩音。
彩音があれやこれやと説明するが、ユキサはそれでも脱ごうとする手を止めない。
脱ぎかけているユキサの体を触るのは良くないと不二は彩音に任せていたのだが、さすがに助けに入ろうとしたその時。

「何をしてる」

黒髪のエクソシストが、ユキサの瞳に映った。
少しの間見つめ合っていた2人だったが、ユキサがふいと視線を逸らす。

「かんだには、かんけいない」
「か、神田…」

ユキサの言葉に神田が眉を顰める。
神田の怒りに彩音がどうしよう、と不二へ視線を向けた時、抱き止めていた温もりが消えた。
顔を見上げれば神田がユキサを肩に抱き上げ、ユキサが下ろせと抵抗していた。
ちらりと神田が不二へ視線を向けた。
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