第18章 呪術界の中心
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隣ですやすやと気持ち良さそうに眠る君を見て思う。
こんなどうしようもない世界でも、君がいるならば全力で守りたいと。
君が笑顔でいられる場所を、限りなく綺麗なモノにしたいと。
そんな事を僕が考えているなんて言ったらきっと周りの人間は笑うだろう。傑や硝子や七海なんかはドン引きした顔をするかもしれない。
いや、間違いなくする。
それでも考えずにはいられないだ。
いつまでも僕の腕の中で、笑顔ていて欲しいって。
安心した顔で僕の隣で眠っていて欲しいって。
どんなに黒くドロドロとした負の感情が巣食う世界でも。それでも僕の側に君がいるのならば、そこは果てしなく白く美しい世界だ。
君が選んだものが僕の正しさで、そして全てに変わる。
馬鹿みたいに甘ったるい音を乗せて、君がいてくれれば他に何もいらないなんて歌詞を歌う奴が良くいるけれど、本当にその通りだと思った。
ただ一つ違うのは、僕の感情はそんな浅くくだらない歌とは違い、深く重たく…そしてどうしようもないほどに僕を溺れさせているということくらいだ。