第16章 みんなで呑もうよ♪
「はい、説明してちょうだいよ。」
ちっ。
逃げられなかった。
「だんまり決めてもダメだから。」
「そうよ。あんな大怪我して、チャクラ切れまで起こしてて。すごく心配したんですから!」
ゔ…。
そんな純粋な目で見られると、罪悪感が…。
「エニシの怪我、サクラが治してくれたんだよ。今、どこも痛くないでしょ?」
あぁ、そういえば天照で…。
「あの、ありがと…。」
「ううん、いいの。それより、うちはイタチに何されたんですか?」
別に…イタチが悪いわけじゃない。
「エニシ、意地はらない方がいいわよ?」
「イタチと殺し合いでもしたの?」
紅さんの言葉のあとに、先生の図星が突き刺さった。
「そうなの?エニシさん。」
「エニシ。」
元々、分かってたことだ。
思い出したって、辛くなんてない。
………。
くそっ!
優しい時と昨日の姿がタブって見える。
分かってるんだって!
別に殺したいから殺そうとしたんじゃなくて、私はサスケの邪魔になるって…
邪魔だから…
やっぱり…
「ほら。そんな強く掴んだら、手が傷つくよ。」
ぽんぽん、と先生からあやすように手をたたかれて、ふと正気に戻る。
ダメだダメだ。
それでも止めないって昨日思ったばかりじゃん。
イタチとサスケさえ仲直りできればそれでいい。
いいのよ。
その為に今まで頑張ってきたんだから。
こんな事くらいで諦めるなんて愚の骨頂よ!