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夜と月と雨が降っても

第1章 月から








「本当にリョーマくんなの?」


確かめたいよ
本当にリョーマくんなのか
今起きてることが現実なのか
本当に本当にリョーマくんなのか
夢じゃないのか


『まだ信じてないんだ』


沈んでいたそこがさらに深く沈んだ気がした
横を向いたままの私
呼吸はしていたと思う
多分前髪が額に少しだけ落ちてきたと思う
その落ちた部分になにか
なにか
あたたかく
なにか、あたたかく触れたようで
そして
私の頬に
なにか、あたたかく触れたようで


『信じないなら こうするしかないね』



今、私の脳に伝わるそれぞれの言葉たち
明かりを消して、さっき見ていた満月の光を感じながら私はリョーマのことを考えていた
どうしようもない思い
行き場のない気持ち
いつもの夜と同じようにそれを考えていた
今日だっていつもの夜と同じだった
でも、何かが違う、違ってる
リョーマが、ここにいる
ここにいて
私の額に触れ、私の頬に
私がずっとずっと
ずっとずっとずっとずっとずっと
望んでいたそれを


「リョーマ、くん………………?」


『信じた?』


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