第29章 ◆ 助けたい君 ◆ 夢主視点 ◆ ④ ◆

鳥は空高くに飛び立って行って
自然と目線が後を追ってしまった







少し⋯息を飲んだ







私はゆっくり息を吐いて


もう一度その人を見た











今度は部下と話すその人が見え
話し終わったのか部下が離れたら
またこっちに目を向けた










私は笑って小さく手を振ってみた











答えてくれる分からない








むしろ答えないだろう








そう思っていた




だがその人は小さく笑っていた














笑って少しだけ頭を下げた














そして何事も無かったかのように前を見て歩き出した




































その人の行動に少しだけ驚いた


















頭を下げる前⋯口が動いた









読唇術は得意だからかなりの距離が空いてても
見えれば分かる











その人は確かにこう言った














藤虎）『また会いやしょう⋯アヤさん』
















「ふふっ⋯素敵なお誘いね⋯なら、私の答えはこうだ。海軍大将・藤虎」
















次は敵同士








捕まえるつもりなら捕まえてみろ















私の勝手な宣戦布告は
誰にも聞かれる事もなく
静かに風に流れて行った
















その場を離れる前
中指を立ててしまった