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【名探偵コナン】sangría

第37章 ゼロの



その後すぐ、毛利さんのパソコンに不正アクセスされた痕跡が見つかったと報告があった。公共のWi-Fiから足のつかないスマホでアクセスしていたため痕跡は辿れなかったが、その時毛利さんは検察に拘束されていたためアクセスポイントにいることは不可能。
さらに私とコナンくんの読み通り、今回のIoTテロの不正アクセスにも先の事件と同様の手口『Nor』が使われていたことが明らかになった。

これで、毛利さんの疑いは完全に晴れただろう。不起訴になるのも時間の問題だ。

残るは、真犯人のサーバーの特定である。



「確か、サーバーを特定するシステムがNAZUにあったかと思います」

「NAZUだと?」

「はい。
NAZUでは昨年、Norを使った不正アクセスがありましたから。それがきっかけで、Norユーザーを追跡するシステムがNAZUで完成したと聞いたことがあります」

「なるほどな。では早速NAZUに捜査協力を依頼しよう」


よし、これでNAZUにユーザーを解析してもらえれば、真犯人を突き止めることが出来る。そうすれば、今回の事件は全てに片がつく。

……はずなのに、なんだ、この胸騒ぎは…。





「NAZUから連絡がありました。本日は『はくちょう』の帰還ミッションがあるため、最短でも明日になってしまうそうです」

「構わん。
一先ず毛利くんの疑いは晴れたんだ。焦る必要は無い」



目暮警部たちがそんな会話をしているのを横目に、私は壁に寄りかかった。

1つ引っかかることがある。
犯人は何故、サミットの数日前に会場を爆発させたんだ。今回のIoTテロが本命ならば、わざわざ警備強化を促すようなことを仕出かす意味が分からない。
警察への宣戦布告だったのか?それとも、IoTテロは全て遠隔で仕掛けることができるから例え警備が厳重になっても構わなかったということか?
そもそも、犯人の目的は何なんだ。
今回のテロでの被害は警察ばかりで、民間にはほとんど出ていない。特にIoTテロなんて、特定さえしてしまえばすぐに対処が出来てしまう。こちらとしては幸いなことではあるが、正直テロにしては甘い気がする。
会場を全壊させる程の爆発を起こした犯人が、本当にこれで終わらせるつもりなのだろうか?

……嫌な予感がしてならない。
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