第23章 中継
佐藤が北海道へ急行した現在、子供たちは私が車で送っている。
「みんなーちゃんとシートベルト着けてねー」
「「「はーい!」」」
そうして車を走らせた。
運転をしながら、高木くんの状況について考える。
今日のことで、妙な点が1つある。
北海道の4階以上の工事現場は調べていると目暮警部が言っていたのに、何故まだ見つからないのか。
仲間が大勢いて自分たちであの現場を組んだとしたら別だけど、業者に頼んだのなら4階以上の工事なんて調べればすぐに分かるはずなのに。
それに、高木くんがシートを下に落としたのも引っかかる。
確かに、落ちた音で現場の近くを通った誰かが気づくかもしれないが、それよりも体に巻いて体温を温存する方が明らかに有効だ。
縄を切るほど冷静な判断が出来ていた高木くんなら、その事は分かっていたはず。
ひょっとしたら、あれには何か別の意味があるのか…?
氷点下20℃…北海道…雪……
ーー…っ!?もしかして…!!
「おい光彦!!おまえ高木刑事の映像、ムービーで撮ってたよな?」
「うぇ!?あ、ええ、一応」
「見せてみろ!」
コナンくんが後部座席で例の映像を確認している。
やはり、コナンくんも気が付いたようだ。
「コナンくん、今あなたが考えていることと私が考えていることが同じかもしれない。
その映像のブレている部分、おかしな点があるわよね?」
私は前方を見ながら、後ろに座っているコナンくんにそう問いかけた。
「……うん、思っていた通りだ。
だから、階以上の建物の工事現場を探しても、高木刑事は見つからなかったんだ!」
「やっぱり…!」
「これから、博士に頼んでこの映像を解析してもらう。
さん、明日になったらまた迎えに来てくれない?」
「ええ、勿論よ」