第84章 ☆ 冥母 ☆ ロー視点 ☆ ② ☆
イッカク)「見てない間に…気になる話してたのにー!」
俺も正直話の続きが気になったがまずはこっちだ
イッカクは途中で終わったからか
悔しそうに握りこぶしを作って震わしていた
そんなイッカクを白い目で見るシャチ
シャチ)「イッカク…正直だな。ってか、え?本当の姿って言った?今冥母って言ってたよな?」
ペンギン)「あれが冥母なのか?…能力者でもないのに…そんな事」
ジャンバール)「そんな事あるんだな」
クロガネ)「…そうそうないわい。ワシが知る限り冥母だけじゃ」
イッカク)「クロガネさん。さっきの話!後で聞かせて下さいね!」
クロガネ)「おぉ、美人さんは必死じゃな」
ロー)「…」
【「この姿を見るのは久しぶりだな…頑張ろうね…冥母」】
アヤは刀の峰の所に頭を寄せて呟いた
【ベポ)「…その剣…変な感じがする」】
「「「変な感じ?」」」
アヤはベポの言葉を聞いて顔を上げ
刃を撫でるように手を当てた
【「だろうね…この刀は…『呪術の篭った呪いの刀』…持ってるだけで人の生命力を吸い上げる…その変わりに力をくれるんだけど…冥母はそれが制御出来なくてね…今までの所有者は力を吸い取られすぎて死んだんだ…この子は『死をもたらす呪物』として消させそうになってた所を、私が貰ったんだけど…冥母のトラウマか、なかなか難しくて…猫の姿なら問題ないんだけど…私以外の人間が駄目になった」】
「「「は?!」」」
前に言ってたのはこれか…
…なんで…俺には懐いたんだ?
俺がそんな事を考えていたが
アヤの言葉にシャチ達は焦った
【ベポ)「え?待って。今、アヤは平気なの?!」】
【「平気じゃない…吸い取られてるよ」】
【ベポ)「え?!」】/「「「え?!」」」
【嚇母)“大丈夫だよ…だから僕がいるんだ”】
クロガネ)「なるほどのう。だから医療忍術か…」
ロー)「どう言う事だ?」
【「この子は私の生命維持装置だと思ってくれていいよ」】
【嚇母)“僕が冥母の力を調整してる”】
クロガネ)「そう言う事じゃ」
ロー)「…それは大丈夫なのか?」
俺がクロガネ屋に目を向けながら聞けば
クロガネ屋も俺に目を向けた