第82章 ☆ 復活・出陣 ☆ ロー視点 ☆ ② ☆
「「「え?!」」」
あまりに一瞬の事で俺達は目を見開いていた
アヤの体が
アヤが入ってる女の体を
帯から守るように受け止め
少し離れた所に瞬間移動していた
俺達は状況についていけなかった
アヤが入ってる女を寝かせるアヤの体に入ってる女
だが、アヤの顔が
いつものアヤの顔に見えなくもない
それにさっきの動き…
いつの間にか後ろにいたあの般若も消えていた
寝かされたアヤが入ってる女の腹部には
さっきの帯に貫かれ大きな風穴が開いており
…思わず眉を寄せた
後ろの奴らも…横のクロガネ屋も…
画面を睨むように見つめていた
【?)「…ご、ごめ"ん、なっ、…ゴホッ」 】
涙を流し血を吐きながらアヤが入ってる女は
アヤの体に手を伸ばし服を握り締めるが
…その手には力が入ってなかった
『ごめん』の言葉に疑問を感じたが
俺達は…画面を見ている事しか出来ない
会場では邪魔者がいなくなった事で盛り上がっている
このままでは
あまり戦えないアヤの体に入っている女と
ベポ
そしてあの金髪の女
金髪の女の優勝を確信したかのような会場の盛り上がり
それに対しても…苛立つのは俺だけじゃなく
シャチ達が歯を食いしばって立ち上がろうとした時
でんでん虫から聞こえた声に
俺達は別の意味で目を見開いた
優しく…語りかけるように話す…その声は…
アヤは女の頭に顔を寄せて抱き抱えた
【「しー。何も言わなくていいよ。大丈夫。起きた時、全部終わってるから…私の体を守ってくれてありがとう。ゆっくり寝てな。これ以上、誰にも傷付けさせないから」】
「「「アヤ?!」」」
シャチ)「おぉ!もどっ!戻った!」
イッカク)「良かった!けど、良くない!」
ペンギン)「…あの子…」
ジャンバール)「このままでは…」
ロー)「…」
クロガネ)「…」
アヤの服を握り締めていた手が落ち
さっきまでアヤの体に入っていた女は
目を閉じた