第80章 ☆ 報酬 ☆ ロー視点 ☆ ② ☆
乾いた音が響いた
画面を見ていた俺達は目を丸くしていた
そして恐らくアヤ以外目を丸くしているだろう
アヤの体に入っている女は叩かれた頬に手を当て
ゆっくりアヤに顔を向けた
アヤは自分の体の胸ぐらを掴んで少し引き寄せた
そして静かに声を出した
【「あんたいつまであんな女の言いなりなの?いい加減目を覚しなよ」】
アヤの言葉にここにいる全員も目を見開いていた
アヤは小さく笑って言葉を続けた
【「今あんたの体に入ってるの私だけど…あの女に仕返ししていい?それともあんたが私に「助けて」ってお願いする?…いいよ。今なら助けてあげるよ」】
アヤが入ってる女は笑っていた
【「あの女があんたの世界なんだもんね」】
【?)「…え?」】
【「…分かるよ。私も似たようなものだったもの…カカシはそんな事しなかったけど…あの女が自分を使ってるって、利用してるって分かっててもそう思いたくないよね?信じちゃうよね。全てなんだもん…でもね、だからって毒だと分かっててそれを受け入れてちゃダメだ。自分の命なんてって考えてたらダメだ…あの女の役に立ちたい気持ちは分かる。助けたいのも分かる。止めたいのも分かる。でも使われるな。それは意味が違う」】
【?)「…っ…」】
アヤの言葉にアヤの体に入ってる女は
涙を我慢するように歯を食いしばっていた