第55章 ☆ スイッチ ☆ ロー視点 ☆ ① ☆
アヤの過去
この世界でそれを知るのはクロガネ屋と俺だけ
アヤが自分の過去に拘らないのは分かっていた
俺としてはアヤが知りたいと言ったら言うつもりだった
それなのにアヤは『アヤの前の人生に興味無い』と言った
カカシの言う男に助けられ、リンと言う女に名前を貰ってから自分は生まれたと言っていた
生まれ変わったと
妙に納得してしまった
アヤらしいと思った
だがこいつは過去の俺が抱いた女に拘った
過去に抱いた女達の事なんて覚えてない
そんなに多く抱いてない
気にするだけ無駄なのに…
それなのにアヤは『ローは私に経験あったら気にしなかった?』と言ってきた
…それは、確かに気になる…
あっちの世界でもこっちの世界でも体を重ねている時のアヤを知るのは俺だけ
よく名前を聞くカカシの言う男でさえ知らないアヤ
今更に優越感を感じた
でもそれはアヤにも言える事で
過去に抱いた女達とアヤとじゃ全然違うのに
こいつにはなかなか伝わらない
正直他の女と同じように抱いてやろうかと思ったが出来なかった
こいつには出来なかった
それ程大切にしたいのに…
俺の今もこれからもお前にあるのに…