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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第37章 漆黒の葬列 後編



私は座席に寝かせた哀ちゃんに一言「今から出来る限り手当てすからね」と声を掛け、早速肩や他の弾が貫通した場所を喪服で暫り、腕や足は博士の救急箱を貰って傷の手当てを始める。助手席にいた新一はルームミラー越しに私の上着で見えなかった全身の銃で撃たれた数多の傷に、上半身の白いシャツに馴染んだ血を見て愕然と息を呑んでいた。




コナン「っ?!灰原、お前……その怪我誰に……っ」

灰原「はぁ……はぁ……別に弾は貫通してて、一つ一つは大したものじゃないわ……。私が密室だった監禁場所から逃げた方法、それを全部吐かせて殺そうと何度も致命傷を避けて撃ってくるんだもの……やったのはジンとウォッカ……」

椎奈「そんなの拷問じゃない!と言うか哀ちゃん、無理に喋らないでもいいのよ?ずっと体が痛いでしょう?」

灰原「痛み以上に今は、アイツが只管気持ち悪いのよ……。暖炉の毛髪が私のだって勘づかれたり、昔から血生臭い殺人だって笑って出来た妙に生き生きした顔がね……ほんっっっとに悪趣味……」

コナン「ご、うもんって……」



無理に喋らないで、と銃撃の衝撃の痛みがある筈の彼女に言ったものの、彼女はジン達と対峙した時の愚痴や、何度も撃たれた状況を新一に話して聞かせた。新一は重傷の哀ちゃんが発する当時の危険極まりなかった状況に愕然とし、血の気が引いた茫然自失の顔で私が色々手当している様子を見つめて固まる。そうして脱力しきった新一を無表情で見返す哀ちゃん。



灰原「……裏切り者も、任務の失敗者も、組織を勘繰る人間も、簡単に消されるのがあの組織……。そうして無惨な死体が幾らでも積み上げられてきた、どんな非道な行動だって躊躇いもしない……。ましてや幼児化した人間なんて、人体実験で使われるか抹殺の対象でしょうよ……」

コナン「!!それじゃあお前……これからどうする気なんだ?」



哀ちゃんが虚無の眼差しで告げた非人道的なワードは、決して大袈裟な言葉ではないのだ。今やそれを明確に理解したコナンが喉を鳴らして肩を震えさせるが、すぐに目つきを鋭く眉を寄せて彼女の今後の考えを問うた。原作では米花町を去る発言を聞いて、相手も彼女の性格からそう読んで一緒にいても大丈夫だと判断していた。それは秘密を話される前にピスコが死ぬ、その場面を博士が盗聴したからだ。その音声を聞いた描写が無いけれど、確実。
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