(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第26章 小さくなった名探偵
───蘭side
幼馴染の新一と一緒にトロピカルランド……、私はその約束を思いだけで気分が舞い上がるほど嬉しかった
私が探偵の仕事で呼ばれて決勝を見てくれなかった新一に対し、都大会の優勝記念にお祝いとして半ば強引に強請ったのだ。「全部新一の奢りだから」、そう言って拗ねてはみたものの、本当にそこまで迷惑かけたくないし二人で純粋に楽しんでみたいだけ。仕方なさそうながらも呆れ笑いで了承してくれて、内心強引すぎたんじゃないか、と誘った後に後悔したのだけれど……。その後、待ち合わせ時間と場所を決め、前日も覚えててくれてホッとした
だから当日は新一が探偵を休んで、私とトロピカルランドに出かけてくれたのだ。なのにジェットコースターに乗った時、狙ったように殺人事件が起きた……。それも私達が乗った真後ろの席で、トンネルに入って抜けるまでの間に犯行が行われたらしい……
そうして私達が事件に巻き込まれた経緯というのは、新一と一緒にミステリーコースターで並んでた時に遡る。大勢のお客さんが並んでる中、ゲートを潜って柵で作られた道を歩いて行ってる私達は、いつもの新一が熱く語るホームズの話になっていた
新一「そんでよー、ホームズのすごい所はな……助手のワトソンに初めて会った時、握手しただけで彼が軍医でアフガンに行ってたことを見抜いてしまったんだ……」
柵に寄りかかって列の移動を待っている間、新一はせっかくのトロピカルランドでも趣味を全快で持ち出した。しかも柵を隔てた向こう側のカチューシャを付けた女性の手を握って、いきなり「こんな風にね……」と得意げな態度で実践して。もちろん、何の声かけも面識も無く手を握られた女性は驚く
カチューシャの女性「え?」
新一「あなた、体操部に入ってますね?」
カチューシャの女性「ど、どうしてそれを……?」
眼鏡の女性「なにこの子?知り合い?」
友人らしき眼鏡の女性が戸惑いながら聞くけれど、新一に突然当てられた女性本人は驚き半分訳もわからず「さあ?」と困っていた。けれど新一は気にする事なく、そう思った理由をツラツラ余裕の笑みで挙げていく
新一「彼女の手のマメさ!女の人で指にあれだけマメが出来るのは、鉄棒をやってる人ぐらいだよ!!」
蘭「で、でも、テニスやっててもマメぐらい……」