第34章 呪いの器(三成君)
(姫目線)
眩しい笑顔を浮かべるあなたの輪郭が、少しずつぼやけていく
この世界に居ないとわかっていて幻の声に耳を澄ますの
三成君がめぐらせた優しい知略でここに居るけれど、何も言わずに私を送り出したあなたに文句を言いたくなる時がある
今日も可愛い寝ぐせをつけたまんま、読書してるのかな?
またご飯食べるの忘れてるんじゃない?
部屋がぐちゃぐちゃだろうなっていつも想像してるよ
少しは寂しがってくれなきゃ嫌だけど安土の皆と平穏に過ごしていて欲しいって思うよ
勝手なこと言ってゴメンね
三成君は今でも私のこと好きって言ってくれるかな
私はあなたのことが好きすぎて、この身がよじれてしまいそう
ミノムシの次はネジバナかな
どうしたらあなたに会えるんだろう?
ワームホールが開くまで待つしかないなんて
人間って無力だね…