第20章 心配症
「誰かに見られたらどうするの!それに悟の生徒達もいるんだから」
「え〜、僕むしろ見せびらかしたい派だし?生徒達にも僕の恋人紹介したいから丁度良いよね」
何故かグットポーズをしてくる悟。いや…全然グットじゃないよ…しかも全然私の話聞いてないんじゃ…
そんなやり取りをしている間に硝子のいる部屋へと着いて、悟が勢い良くガラッと扉を開ける。
「硝子〜今日は僕達から重大な発表がありまーす!!」
扉を開けた途端、中にいる硝子に向かってそう言った悟は、もともと抱いていた私の肩をさらに引き寄せピッタリと私の顔と悟の顔をくっつけると。
「なんと僕達っ、付き合う事になりました〜!いえーい!!」
と、とてつもないテンションで硝子へと交際の報告をした。
ものすごい報告の仕方だ。そんな事を思っていると、隣にいる悟が「あれ?硝子ー?反応薄すぎない?」と不満そうに口を開く。
その悟の言葉に私も硝子へ視線を移すと、硝子はとくに驚いた表情を見せる事もなく。
「あーおめでと。やっと長年の片想いが実って良かったな五条。あとリンはそんなクズが恋人で良いのか?今ならまだ引き返せるぞ?」
「えー、硝子って僕のこと応援してくれてたんじゃないの?あとリアクション薄すぎ」
ブラックコーヒーを飲みながら足を組む硝子に、悟が不服そうな顔をする。
「いざ二人が付き合うとなると、やっぱりリンのことが心配でね。なんせ相手はクズ五条だからさ。あと君らが付き合う事になったのは昨日世界が滅亡しなかった時点で気付いてる」
「世界滅亡…?」
首を傾げる私に硝子がクスリと笑う。
「昨日、リンと七海が一緒にいるのを目撃した瞬間の五条は、本気で世界を滅ぼしそうな雰囲気だったからな。それなのに爆発一つ起こらないどころか。今日のコイツはやけに機嫌が良かった。だからだいたい検討はつくだろう?」