第5章 ★ベッドの上のお手伝い
とにもかくにも、出勤の時間が刻々と迫っている。時間がまたカツカツだ。玄関先に飾ってある、ナナミンぬいにいつもの挨拶をする。
「行ってきます、ナナミン」
それから見送りしてくれてる五条先生の方にも顔を向けた。
「行ってきます五条先生」
「行ってらっしゃい」
斜めに壁に寄りかかる立ち姿はやっぱりプロのモデルみたいにカッコいい。つい、ぼうっと見惚れてしまう。
「ハグでもする?」
「いや、いいです」
昨日と同じ会話に、2人で同時にクスって笑って、そのまま私はドアを開けた。
もう一度振り返って、行って来ますって声をかける。先生はまだ見送ってくれていて、笑顔を見せてくれていて、扉が閉まるその瞬間まで私は五条先生を眺めていた。
ダッシュー!