第40章 夢を掴む力
『嫌だ…!離して…!』
「離すわけないだろ…!やっと見つけたんだ…!」
『あの星ではもうみんな死んでた!なのに何で…!』
「死ぬわけにはいかない…!お前の実験も途中、研究成果は未発表!そのまま終わるわけがないだろう…!」
『……っ』
折られそうなほど力の入る手
『(早く行かないと……みんなが…っ)』
ザザッ
辺りをゴーミン、スゴーミンに囲まれる
『こんな時に…』
「ザンギャック…!邪魔をするなあぁぁ!!!」
の腕を掴んだまま短剣を振り回す
『…っ!』
あまりの気迫にゴーミンたちもなかなか手が出ない
『くっ…』
は研究員の足を振り払い倒し、腕を捻って手を離させた
そしてマーベラスたちのいるであろう森に向かって走り出す
ザッ!!
『…っ!』
「逃がすか……!絶対に…!」
研究員はの足を掴み、切りつけた
そしてそのまま馬乗りになる
『やめて…!!』
「うるさい!!」
ザッ!
『っ!』
腕を切りつける
「手配書を見てお前が生きていると分かりどれだけ嬉しかったか…!逃さない…!!」
『嫌だ……っ』
脳裏に当時の記憶が蘇る
ゴーミンは研究員を掴み退かす
「離せ!お前らにはわからんだろう!!そいつの価値が!!」
はその隙にゴーミンを蹴り上げ走り出した
マーベラスたちがいるであろう森へ向かう
後ろからゴーミン、研究員が追ってくる
『ハァ…ハァ…ハァ…』
森の中へ入り、ただひたすらに真っ直ぐ進む
しかし足や腕の傷から血が落ち、地面には血の跡が残る
『これじゃあ……すぐに追いつかれる…っ』
ザザッ
『!』
足を滑らせ下へ転がり落ちた