第13章 ❤︎ 岩泉先生の彼女と及川先生
その後先生は私の口の中で吐き出し、全部飲み干して…と強要した。吐きそうになりながらも言われるがまま我慢して飲み込んで、そしてやっと解放された時には外は真っ暗だった。
体は傷つけられなかったのに、心の中で何かが確実に壊れている。狂気じみた先生の言動ですら記憶に深く刻み込まれて、夢なら早く覚めてと願う。スマホには愛おしい恋人からのメッセージの着信を知らせる画面のまま開くことはできなかった。
「…苦い」
独特の生臭い後味が口を濯いでも残っていてただ気持ち悪い。さっきまでの行為はまぎれもない事実であれ以上の事はされなかったけど、私には大きすぎるくらいのショックで…。
でも事の発端を考えれば悪いのは私。この先何があっても岩泉先生を守れるのは私だけだ。例えば体を奪われるような事があったとしても心までは奪われるものかってそう思っていた。
揺るぎないものだって、そう、思っていた。
でも、あれから幾度となく及川先生からの呼び出しがあって、そのたびに口での奉仕を強要されていた。体を穢される事はなかったけど、先生の言う通りにこなすと先生は優しく囁いてくれて頭を撫でてくれた。
“いい子…”そう言ってくれるだけでどこか救われた気がして、もう葛藤する事も出来なくて私の思考はどんどん麻痺していったの。
next.