第68章 ❤︎ 青城3年とルームシェア
午後の日差しが強くなる頃、松川と一緒に部屋を出る。もうすっかり体は回復してお腹も減っていた。
リビングのテーブルには花巻と岩泉直筆で“ごめんなさい”と書かれたメモと一緒にウーバー●ーツで頼んだであろう私の好物の品が並べてあった。その奥で窓から見える庭では二人がシーツやらタオルケットやらをせっせと干している。高校時代とは真逆の光景に思わず笑ってしまいそうになる。
「二人もちゃんと反省してるみたいだら許してやって」
「そうみたいだね」
「目覚めにコーヒーでも飲む?」
「飲む。ミルクと砂糖入れてくれるなら」
「OK」
「松川も一緒に食べよう?」
「いいの?」
「だってこんなに食べられないし」
「じゃあお言葉に甘えて」
暖かい日差しとコーヒーの香り。あんなことがあったとは思えないほど今は穏やか。でもそれは多分、松川がいるからなんだろうなってことを静かに悟っていた。
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