第68章 ❤︎ 青城3年とルームシェア
岩泉が同情するような目で見るけど止めてくれるわけでもなく、どさくさに紛れて入ってんじゃん!!頼りの岩泉がこれじゃ先行きかなりヤバいんだけど!?そんなことを思ったところでお構いなしに花巻含む三人は勝手に家に上がりリビングへ向かう。
花「へぇ、めっちゃいい家じゃん。戸建てだし広っ」
「両親が海外で帰ってこられなくて私一人だから広く見えるだけ」
岩「まぁこのご時世だしな。今、お前一人なのか」
「そう。だって海外の渡航も禁止されちゃったでしょ?だからうちの親も帰ってこられないの」
岩「大変だったんだな」
「私も仕事も解雇されちゃうしさぁ、ほんとに参ってたんだよね」
花「だから俺らが来たんじゃん」
「そもそも呼んでないし。松川が勝手にしたこと」
花「でも、今、部屋は空いてるよな?」
「そうだけどさぁ、松川も余計なこと言わないでよ。一応、今は家主は私なんだから」
松「でも俺は住んでいいんだろ?」
花「え?マジで?まっつんは決定なの?」
「まだいいって言って…」
花「ならさ!いちかさえよければ、俺らもここで住まわせてよ」
ぱんっと乾いた音を響かせて目の前で両手を合わせる。
「えー!?」
花「一緒にこの大変な時期乗り越えよう?な?」
岩「俺もアパート代もったいねぇし今はバイトもねぇからそうしてくれると助かる」
「それはさぁ、ちょっと考えさせてよ。急に言われても困るし」
花「じゃどうやったら前向きに考えてくれんの?」
「どうやったらって…。そんなこと言われてもさ」
松川に視線を送っても一人楽しそうに笑ってるだけで、ああもうここまできたら腹が立ってくる!
岩「なぁ…、ちょっといいか」
「え?何?」
岩「俺、腹減ったんだけど。なんかねぇの?この家」
人が深刻に考えてるのに何考えてんの岩泉は?腹減ったってこのタイミングで言う事!?