第2章 分からない人

ベッドへ組み敷かれ、体を跨ぐ彼がシャツを脱いだ。

男性の体をゆっくり見る事も久しぶりだ。

「おら、体隠してんじゃねぇよ」

「で、でも、あの……痣とか、色々、その、ほら、綺麗じゃ……ないしっ……」

「っとに、うるせぇ女だな。俺様がいいっつってんだろ、黙ってろ。お前はただ大人しく抱かれりゃいいんだよ」

「ん、ぁあっ……」

胸の突起に舌が這い、そのまま含まれる。

口内で舌や指に散々弄ばれて、頭が溶けそうだ。

じっくり気持ちよくされる事に慣れない為、戸惑ってしまう。

「なっ、何っ……やだっ、そんなとこっ、汚っ、ゃぁああっ……」

いつの間に移動したのか、足の間に彼の顔があって、排泄に使う部分に舌が当たる感触がして、腰を引こうとするけれど、足の付け根を持たれていて、逃げられずなすがままになる。

指では割れ目の上にある敏感な突起を刺激され、物凄い快感に、自然と声が高く大きくなり、腰が浮いてしまう。

舌が中に入ったり、それが指に変わったり、ありとあらゆる方法で快楽を与えられ、もう頭が真っ白だ。

体をしならせ、ビクビクしながら快感に溺れていく。

突起を捏ねられながら、中に入っている指が入口付近の壁を擦られ、感じた事がない強い痺れを感じて、喉が引き攣り、堪らなくなりシーツを掴んだ。

「あ？ イクか？ いいぜっ……おら、イケっ……」

ぐちゃぐちゃに掻き回され、擦られて、喘ぎが大きくなって行く。

「ひっ、ゃ、あぁあぁああっ！」

背をしならせて、痙攣する体。こんな感覚は初めてで、頭が朦朧とする。

「マジかよ……。普段ならこんなんじゃ勃たねぇんだが……」

ベルトを外し、ズボンのチャックを下げながら、髪を掻き上げる。

その仕草と、私を見下ろしながら細められた赤い目が、物凄く妖艶でゾクリとする。

彼に抱かれたいと、体が求めるように疼いている。

口でゴムの袋を開ける。そんな所まで絵になるんだから、ズルい。

濡れそぼったソコに、彼の昂りがあてがわれる。

「入れんぞっ……」

「んぅ……あぁっ……」

ゆっくり、ジワジワと割入ってくる異物に、私の体が拒否をする。

やっぱり私の体は、あの男の記憶が傷となって残っているんだろうか。