• テキストサイズ

その羽根をもいだのは【ヒプマイ夢】〘左馬刻夢〙

第1章 その出会いは最悪




この人も、他の男と変わらない。

女を穴としか見てないんだ。

まぁ、ヤクザの若頭ともなれば、遊んでるだろうし、これだけいい男なら、女なんて向こうから寄ってくるだろうから、仕方ないといえば仕方ない。

腰に手を添えて、壁に追い詰められる。

ゆっくり顔が近づく。目をギュッと瞑って、唇が触れるのを待つ。

「んな口に力入れんな、キス出来ねぇだろうが、お前も下手くそかよ……」

指で顎を支えて、親指で下唇をなぞる。

そのままゆっくり唇が触れた。

すぐ離れて、また触れる。

何か、不思議な感じがして、体がムズムズする。

「おら、口開けて、舌出せ」

言われるがまま口を少しだけ開けて、おずおずと舌を出すと、そのまま舌を吸われ、絡め取られる。

「ぅ、ンんっ! んっ、ふっ、んっ……」

「はぁ……気持ちいか? あ? っ、ん」

何か、凄い。これは、上手いと言っていいんだろうか。よく分からないけど、気持ちいいのかもしれない。

口内で彼の舌が暴れ回り、段々深くなるキスに、足がガクガクしてきて、立っていられなくなる。

「っと……おいおい、こんなんでこの先持つのかよ……頼むぜ」

足に力がなくなり、座り込みかけた私を支え、面倒そうに言っている割に、顔は楽しそうだ。

「ま、そんだけいい顔出来んなら、期待は出来るか」

こうして、私は彼に体を差し出す事で、生き延びる事となったのだった。





/ 37ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp