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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第31章 2人で初めてのmerryXmas♡extra※裏表現有


甘口のロゼスパークリングワイン。

それは、イチゴのように甘酸っぱく、ジュースのように飲めてしまう危ない飲み物である。

そんなことは端からわかっていた。だかは私は杏寿郎さんに

"私が酔っ払ってまだ飲めるって言っても…ちゃんと止めてくださいね"

と、お願いしたのである。

調子に乗って飲み過ぎてしまうと、理性の糸がものすごく細くなり、時にはプツリと切れてしまうことがあるとわかっていた。だからこそ、そうお願いした。そして杏寿郎さんは、私のそんなお願いに


"うむ!約束しよう"


と、そう答えてくれた。
そう答えてくれた…筈なのに。 









「え?杏寿郎さん…赤ワインも開けてしまうんですか?」


私の目の前には、アルコール度数11%の750mlのロゼスパークリングワインの瓶が、まだ中身を半分残した状態で鎮座している。


「うむ。やはり赤ワインも飲みたくなってしまってな」


そう言いながら杏寿郎さんは、右手を冷蔵庫に突っ込み、赤ワインの入ったボトルをスッと取り出した。

そんな杏寿郎さんの行動に


…え?…どうしよう…


私は焦っていた。 

あまり量は多く入れなかったが、私は既にワイングラス二杯を飲んでおり、もうそろそろ終わりにしようと思ってたところだ。

なのに杏寿郎さんは新しく赤ワインを開けるという。

右手に赤ワイン、左手に手で割きながら食べれるチーズを持った杏寿郎さんは、ほくほくとした様子で戻ってくると、ドスンと私の隣に腰掛けた。


「…あの…杏寿郎さん…」

「なんだ?」

「私…1人じゃこんなに飲めそうにないんですけど…」

「む?そうなのか?」


杏寿郎さんは私と会話は交わしながらもその手を止める様子はなく

キュポン

と、小気味好い音を立て赤ワインのコルクを抜いてしまった。


「すまない。そのロゼスパークリングは俺には少し甘過ぎる」


杏寿郎さんはそう言いながら、空になった自分のグラスに赤ワインをトクトクと注いでいく。


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