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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第174章 174




イルカショーの終盤、二人は周りの客がショーに夢中になっている隙に席を立って館内へと戻った。

「すごかったね、イルカショー」
「よく、漁で船に併走して泳いでるイルカ見てたけど、こうやってショーで見ると本当にすごかった!」

興奮冷めやらぬ二人はそのまま水族館が誇る大水槽の前に立つ。

「、こっち向いて」
「ん?」

少し離れて立つ龍之介に呼ばれてそちらを見れば、スマホで写真を撮られる。

「もー、写真ならそう言ってよー」
「自然体のが良くて」

笑顔撮ってよーと言いながら近づいてくるに、龍之介がとったばかりの画面を見せれば、笑顔の。

「……あら、笑ってた」
「はこっち向いてくれるとき、いつも笑ってるよ」

何とも幸せそうにいつもこちらを向いてくれるが、愛しくて仕方ない。
そんなことを思いながら龍之介は、再び水槽を見上げるを後ろから抱き締める。

「の幸せそうな顔を見るの、大好きなんだ、俺」
「知ってる。私も、龍くんが幸せそうにしてくれてるの、大好き」

呟きながら龍之介の胸に軽く凭れるように頭を寄せ、龍之介を見上げる。

「こんな俺と、一緒になってくれてありがとう」
「…ふふ、自然体でいさせてくれて、いっぱい愛させてくれて、ありがとね」
「…っ」
「?え?!ど、どした?」

黙りこんでしまう龍之介にどうしたのかと見上げれば、そのまんま言葉が出てしまう。
瞳が潤み、頬を染め、口元を押さえる龍之介がそこにいた。
少しだけ、ほんの少しだけ持っていた、の青春を奪っているかもしれないという懸念が、見事に吹っ飛んだ。

「あまりに…嬉しくて可愛くて…」
「最近涙腺弱いなぁ?ほら、泣かないのー。もぉ、可愛いんだから。大好き」

くすくす笑いながら龍之介の眼鏡を取り、ハンカチで龍之介の目元を拭い、はそのまま口付ける。

「良い子良い子」

頭をなでこなでこと撫でていれば、ようやく落ち着いたのか龍之介は頷き、を抱き寄せる。

「本当に…と一緒にいられて、俺幸せだ」
「どうしちゃったの、龍くんたら」
「俺と一緒にいて、大変なことばっかりで…普通の高校生らしいことさせてあげられてないなって思ってて…」

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