第9章 歪想 （羽宮一虎 / 場地圭介）

『なん、か当たって…る？』

太ももに当たる硬いもの。

私に股がっているカズくんの息がどんどん上がっているように感じる。触れている手も唇も熱い。

「生理現象。」

『か、カズくんもしかして勃って…』

「女がそういうこと言わねぇの」

『ごめんなさ…っは、んッ』

「今日は俺の事いいから」

胸をやわやわと揉まれて声が漏れる。

『だ、だめだよ…っ
私から誘ったし…私ばっかりは…』

「んじゃ何してくれんの？
抜いてくれんの？」

『…ぅん。だから教えて…。』

一瞬目を丸くしてから体を起こしたカズくんがカチャカチャとベルトを外して手を止める。

「こっからが脱がせて？」

『…ん。』

そっとファスナーに手をかけておろす。
フックを外せば苦しそうに主張している。

「下着の上からでいいから触って。
優しく撫でるみてぇにな？」

『わかった…っ』

恐る恐る触れてみると硬くて熱くて時折脈打っている。これが男の人の…。

「…ん、もう出して…」

言われた通り下着に指をかけて一気におろす。無意識に閉じてしまった目を開くことができない。

「目ぇあけろ。」

『ま…って』

「あけろよ」

ゆっくりと目を開けば反り立ったカズくんのモノが視界に入る。初めて見る男の人のモノ。思ったより大きくて、いつか自分の中に入るんだと思うと不安になる。

「見すぎ。のえっち」

『だって…思ったより大…きくて、っ』

「慣らせば入るから心配すんなよ」

そう言って私の手をとったカズくんが自身へと導く。

『…っ、あつい…』

「…は、もう少し強く握って。
…そう、ん、そう…そしたら上下に、っ」

『ど、うかな…？』

「は…っ、ヘタクソ。」

『だよね…ごめんねカズくん。』

「教えてやるから続けて」

『ん。』

そのあとも言われた通り強く握りすぎないよう上下に動かすのを繰り返した。

「上手くなってきたじゃん…気持ちいわ」

時折漏れる吐息が余裕のなさを表しているみたいで、気持ちよくなってくれている事が嬉しかった。

『カズくん先っぽトロトロのが…』

「それ伸ばして先っぽ扱いて…」

『う、ん…』