第5章 再会。
案内してもらいながら私達は軽く自己紹介をしながら歩いた。
2人は研磨が言っていた3校のうちの1校、
梟谷高校のバレー部員だった。
テンションが高く、声が大きい人が木兎さん。
落ち着いた雰囲気で真面目そうな人が赤葦さん。
2人はちょうど外周のランニングから戻ってきたところだったようで、視力が異常に良い木兎さんが絡まれていた私を発見してくれたらしい。
隣を歩いていた赤葦さんが何か気づいたようで私の腕を指差した。
赤葦「腕、赤くなっちゃってる。」
右腕の肘下あたりに掴まれた跡が赤く残っていた。
「あぁ、掴まれたとこ…」
木兎「うーわっ!何ソレ‼︎ともみちゃん色白いから何か痛々しい…‼︎」
特に痛い訳でもないが、目立つし隠したいけど半袖では隠せない。
赤葦「うちのマネージャーに言って手当してもらいますか?」
「いえいえ、大丈夫です。大事にしたくないので…それにこんなのすぐ治りますから。」
赤葦「・・・そう?」
赤葦さんは何か言いたげだったが、私は左手で隠し前を向いた。
すると目の前には先程よりも大きな体育館が見えてきた。
中からはボールの音や掛け声が聞こえて来る。
木兎「あ、もう音駒と森然の試合始まってんじゃね?」
「え、音駒⁇」
思わず声を上げる。
赤葦「・・音駒の応援ですか?」
「はい…音駒に幼馴染がいるんです。私兵庫に引っ越しちゃったので今日、久しぶりに会えればと思って…。」
木兎「え?兵庫⁈ともみちゃんこっちに住んでんじゃないの⁈兵庫なんてめっちゃ遠いーじゃーん‼︎俺たち付き合ったら遠距離恋愛じゃーん‼︎えー寂しくて無理っ‼︎」
「・・・・」
赤葦「あ、いいですよ。イチイチ反応しなくて。」
「はぁ…」
赤葦「じゃあ俺らもチームに合流するんで。ほら木兎さん行きますよ‼︎」
木兎「ともみちゃん!この後俺も試合出るから応援してねー‼︎俺のキレッキレのスパイク見たら惚れちゃうよー?」
木兎さんは最後まで何か言っていたが、赤葦さんに引きづられながら体育館に入って行った。