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❁✿✾ 落 花 流 水 小 噺 ✾✿❁︎/イケメン戦国

第5章 掌中の珠 後編



───おまけ①───
光秀さんの手先器用過ぎだし、そのチョイス可愛過ぎじゃない?篇


無事光秀へ誕生日の贈り物を渡す事が出来、満足した凪や光臣、光鴇を見て、ふと光秀が着流しの袂ヘ片手を差し入れた。ごそ、と小さな音が聞こえた事に凪が気付き、隣に座る光秀を見上げる。ちなみに光鴇は未だ父の胡座の中であり、光臣は抱きしめられた事に照れたのか、そそくさと凪の正面へ戻っていた。

「俺もお前達へ渡したいものがある」
「え!?」
「ときにくれるの?たべれる?」
「父上がくれるものが食べ物とは限らないぞ、鴇。何か意図があるのでは……?」

驚く凪を余所に、光鴇が眸を輝かせて問いかけた。基本、人がくれるものは食べ物か否かで判断しているので致し方ない。光臣に至っては何処か探るような眼差しで父を見つめていた。実子にそこまで怪訝な視線を向けられる親というのもそうそう居まい。

肩を揺らして何処か可笑しそうに口の端を持ち上げると、光秀が差し入れていた袂から掌に収まる程度の白い箱を三つ取り出した。それぞれ中身が分かるようにか、白、金、黒のシール型リボンが貼られている。

(光秀さんがリボン付きの小箱持ってるって、何か可愛い)

もはや贔屓目以外のなにものでもない感想を密かに抱く凪を余所に、白いリボンの箱を光臣へ、金リボンの箱を光鴇へ、そして黒リボンの箱を凪へそれぞれ渡す。

「わーい!ありがとちちうえ!」
「ありがとうございます」
「光秀さん、ありがとうございます。開けてもいいですか?」
「ああ」

嬉しそうに光鴇が声を上げ、次いで光臣が笑顔でそれを受け取った。最後に凪がそっと両手で壊れ物を扱うように受け取り、光秀を窺う。短い相槌が返された事で、それぞれ早速箱を開け始める。

「むっ……、ときできない」
「貸してみろ、開けてやろう」

透明なテープでとめられた箱を上手く開ける事が出来ず、光鴇が眉間を顰める。やや声を低くして文句めいた調子で言うと、光秀が幼子の手から箱を受け取った。

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