第6章 はじめまして?
「十代目」
その日、獄寺は綱吉の部屋を訪れた。
ノックをして中に入ると、そこには目的の人物がソファーに腰掛けている。
綱吉は獄寺を見るなり微笑みながら言った。
「何?隼人」
「ヒロからの報告です。作戦は第二段階まではクリア、と…」
「さすが、仕事が早いね。まぁヒロにとってはこれからが本領発揮の場面だけど」
ニコニコと楽しそうに言う綱吉に、獄寺は一瞬背筋を凍らせた。
(……この方は、)
何故あれだけ溺愛しているヒロをわざわざ敵の手に渡すのか。
(十代目は、一体何を考えているのだろうか)
今一人敵陣にいるヒロを想いながら、獄寺はその場から立ち去った。
はじめまして?