第2章 マンション
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「ちょっと待っててね♪」
という大野くんの言い付け通り、待つコト暫し
俺は、目の前に並べられた大野くんの手料理を前にして、固まっていた
大野くんは“ちょっと料理に自信がある”って、言ったけど…
…これは、もう…
(ちょっとってレベルじゃなくね…?!)
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広いリビングの大きなテーブルの上には、有り合わせの食材で作ったとは到底思えない沢山の“ご馳走”達
色とりどりに盛り付けられた料理は、殆ど芸術品の域だ
「ごきゅっ」
思わず喉がなる
「どーぞ、召し上がれ♪」
そんな俺を見て、嬉しそうに君がご馳走を勧める
「ではっ!頂かせてイタダキますっ!!」
俺は顔の前で手を合わせた
「どーぞ♡」
ニコニコしながら俺を見ている君……
(そんな見られたら…何か緊張しちゃうな///)
俺は目の前のご馳走を一口食べた
「ど?おいし?」
「………」
「おいしくなかった…?」
「………ぃ」
「……ん?」
「ぅまいいぃぃっ!!」
「そ…そ?…よかった…です」
俺の叫びに面食らう君をよそに、余りの美味さに俺は叫び続けた
「うんまいッス!マジ美味いッス!!」
余りの勢いに呆気にとられていた君が、ふっと微笑む
「ふふ、ありがと♡」
(Σの゛おおおぅッッ!!!///)←心臓直撃(笑)
「いっぱい食べてね♪」
俺が、その笑顔に身悶えているとは少しも気付いていない様子の大野くんに勧められて、ご馳走を頬張りながら
俺は思った
(何て言うか、君の笑顔は……ご馳走以上の“ご馳走”だよ///)
……しかし
(…あぁ…何て幸せ♡)
愛しの君の激ウマ料理を食べながら、他愛ない会話を楽しむ…なんちゅー贅沢…
(…何だ?…何なんだコレは…)
夢か…?まさかの夢落ちなのか?!
いやさ、夢でもいいじゃないかっ!!
(夢でもいいから…どうか醒めないでっ…!!)
俺はこの上もない幸福で胸が一杯…ついでにお腹もイッパイ(笑)
すると、大野くんが突然
幸せそうに、口一杯にご馳走を詰め込んで、もぐもぐしている俺の姿を見て
「すきだなぁ」
何て言い出した
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