【MARVEL】This is my selfishness
第11章 小話2
「Happy Halloween!!!」
お店に入るとすぐにその声に迎えられた。ロンさんだ。
『は、Happy、Halloween……』
あまりのテンションの高さに押され気味になってしまい、軽く後退りをした。
「ンもう!もっとテンション上げて!」
『すみません、驚いちゃって…』
「ミアちゃんとバッキーちゃんの仮装も決まってるから」
「スタッフルームにあるから」とロンさんが先導してくれる。
「俺のも?」
「もちろん」
「警備員なのにか?」
「ってことはHEAVENの一員でしょう?1人だけ仮装ナシなんて許さないわよ。それにちょっとカチューシャつけたりするだけだから軽いものよ」
バッキーの仮装…見てみたい……。
スタッフルームに用意されていたものをロンさんが見せてくれる。
「狼と猫と魔女があるわ。この中から選んでくれる?私的にはミアちゃんが魔女でバッキーちゃんはその使い魔の猫でも良いと思ってるんだけど」
その言葉にバッキーが即座に「ミアは猫だろ」と返す。わたしが猫になるという催眠のことを思い出してしまい、恥ずかしさにキッと彼を睨むも微笑みで躱された。
ところが意外なところから違う意見が飛んできた。
「バッキー・バーンズといえばウルフですよ!狼です!!」
アレックスだった。
「そうなの?」と言うロンさんに大きく頷きながら、バッキーに狼のつけ耳としっぽを渡そうとするアレックス。
……ウィンターソルジャー関連かな…?
バッキーは嫌そうな顔をしながら、わたしの後ろに隠れた(全然隠れれてないけれど)。
狼なバッキーと猫のバッキーかあ。猫みたいだなあって思うこともあるけど、狼と言われれば確かに狼も似合いそう。
『…ん?』
バッキーにどちらが似合うか考えていると、頭に何かをつけられる。
「やっぱりミアは猫だな」
背後からわたしに猫耳をつけたらしく、うしろから覗き込むようにしてわたしを見るバッキー。
「猫ちゃんもしっぽあるわよ」とベルトで着けるタイプのしっぽをロンさんがバッキーに渡す。そしてバッキーがわたしのズボンのベルトにそれを差し込む。