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【MARVEL】This is my selfishness

第10章 9th









​───────ミア

​─────ミア


「ミア」

『ン、ぅん……?』


ゆさゆさと揺らされて意識が浮上する。


「着いたぞ」

『……へ、』


その言葉に辺りを見回すとアパートどころか、アパート内だし、階段上がってるし、自分の部屋の前だった。


『わァ、ごめん、、寝てた……』

「乗り心地が良かったようで何よりだ」


立てるか?と言う言葉に頷き、下ろしてもらう。
寝起きの覚束無い足取りではあるけれど、酔っているわけじゃないし、ちょうどいいうたた寝だったのか少し頭がスッキリしてるくらいだ。

よくよく考えれば、わたしってバッキーの前でというか、バッキーがいる所でよく寝てる気がする。


『ほんと、、毎度毎度ごめん、すぐ寝ちゃって…なんかバッキーがいると安心してるのかも』

「いや、構わない。ただもう少し警戒心を持ったらどうだ?」

『それはバッキーに、ってこと?』

「ああ」


神妙な面持ちで言われてもなあ。
もはやバッキーに警戒心を持てって無理難題な気がするんだけど…。
嫌なことをされたことも無いし、なんならいつもわたしのことを気遣ってくれるし、防犯とか言って守ってくれるし。


『無理だなあ、それは』


好きだから、じゃない。
この気持ちを抜きにしても、わたしにはバッキーを警戒する理由が​─────


ダンッ!



頭の上でものすごい音がした。
その音に目を瞑る。
目を瞑ったせいだけではない、光が遮られたように暗闇がさらに暗闇になった。

ゆっくり目を開けると視界が何かで覆われていて、周りを見渡すことが出来ない。
その【何か】は、バッキーだった。


わたしの頭上に左腕をつくようにしてゼロ距離と言っても過言では無い距離にいた。


「俺に対して警戒心がないことは嬉しく思う」

「ただ​──」


バッキーの右手が、わたしの左肩から二の腕、そして指先へと撫で下ろし、手を取る。


「俺も男なんだ。あまり隙を見せられると​─────」


握られたわたしの左手をバッキーが自身の右頬へと触れさせる。




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