第17章 ただ私は蘭ちゃんの過去の写真が気になっただけなのに【前編】
「なに、兄ちゃん…今取り込み中なんだけど」
「あ゙?なぁ竜胆、お前俺と仕事どっちが大事なんだよ…今直ぐ迎えに来い」
「めっちゃキレてるじゃん…分かった、部下に仕事押し付けてそっち向かうわ」
「あぁ、後さ…栞消えたから九井と首領に説明しておいてくんね?」
「えっ?なに?どう言う事?」
「そのまんま、じゃあ後は迎えの方宜しくなぁ〜♡」
えっ!ちょっ!まっ…と焦った竜胆の声を最後に連絡を切る。全くウチの可愛いワガママなシンデレラはどこに行ったのやらとため息をつく。
「まぁ…ガラスの靴が無くても俺は探し出すけど、なんたって梵天だしなぁ…逃げられる訳ねぇもん♡」
本当、自由奔放な栞には参った事だと笑う。だけどそんな所がまた可愛いんだよなぁ…と荷物を見下ろして一人惚気けて見たりする。