第17章 ただ私は蘭ちゃんの過去の写真が気になっただけなのに【前編】
確かに今の蘭ちゃんも美人だしノリも良くて可愛いと思うだけど、絶対に三つ編み蘭ちゃんも美人で可愛かっただろうし見たかったなぁ…と残念に思う。竜ちゃんに頼んだらまだ写真とか残ってないかな。そう思ってしまったのがいけなかったのだろうかと後々後悔する事となる。
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足りない物を買い物して、雑貨を回る。いつの間にか私の腰へと手を回すように歩いている蘭ちゃんに男と付き合って見えてるけど、良いの?と尋ねて見る。すると蘭ちゃんはケラケラと笑いもっと近くへと引き寄せるのだ。
「ふはっ…寧ろ見せ付けてやれば良いだろ?俺の嫁が一番可愛いってなぁ?♡」
「私は蘭ちゃんの嫁じゃないですー…」
「これから結局は俺のモノになるんだから、今も変わんねぇだろ?」
いやいや、絶対違うから…そう照れながら否定する私に対して頭へとキスを送られるから「蘭ちゃんっ!」と声を出して離れようとしたが全くビクともしなかったから泣いた。それでまた蘭ちゃんがケラケラ笑っていたから腰に回った手の甲をべしべしと私の中で力いっぱいに叩いて見たりする。
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街中を歩いている時、ふと踏切の音が聞こえた為、蘭ちゃんに尋ねようと声を掛ける。しかし蘭ちゃんには聞こえておらず私の声に首を傾げているだけであった。気の所為だろうと思いたいのにカンカンカンカン…と先程よりも五月蝿く聞こえる踏切の音に両耳を押さえる。
「蘭ちゃん、やだっ…怖い…」
「栞、どうした?」