第15章 ただ私は春ちゃんの過去の写真が気になっただけなのに【前編】
「男性同士でデートってこの世界は普通なの?」
「あ?あぁ…そうだなぁ。この世界にいる女より男の方が美人な奴多いし、そう言う奴は少なくねぇよ」
「春ちゃんも?」
「ねぇな。1回男とした事あるけど勃たなかったし寧ろ萎えた」
「へ、へぇ…」
「お前、今俺の事不能だと思わなかったか?」
「えっ!?いやいや!そんな事は…ただ春ちゃんって美人だから、私の世界だったら引く手数多だっただろうなぁって思っただけ」
都会の街を歩く私の視界に入る男と男がデートしているというリアルBLがそこにあった。女装する男の子もいるから、私達もそう見えるのだろうか?と春ちゃんを見上げる。やっぱり美人だなぁ…と見惚れてしまうのは仕方ないと思う。きっと春ちゃんだったら男に声を掛けられた事もあるんだろうかな。会って見てみたい、昔の頃の写真とかないのだろうか…なんなら蘭ちゃんや竜ちゃん、万ちゃんや一ちゃんとかの若い頃の写真も見てみたいなと思った。
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そんな事を考えてしまったのが行けなかったのだろうか、何で私…過去に戻って来てるんだ?さっきまで、春ちゃんと一緒にいたはずだった。路地裏に来て、やっぱり手掛かりはないかと一人しょんぼりしながら辺を春ちゃんと歩いていたのだ。その時、遠くの方から電車の音が聞こえた…耳を澄ませるといきなり突風が吹いて私は目を閉じる。そしてゆっくりと目を開ければ隣に春ちゃんがいなかった。