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取り敢えずケーキが食べたいです【東卍夢(梵天)】

第13章 夏だ!海だ!水着だ!プライベートプールだ!【前編】


それにしても春ちゃんと竜ちゃん息してないんだけど、私そろそろプール入りたいのに…そう視界に入った万ちゃんを見て飛び跳ねるように立ち上がる私は「万ちゃーん!」と大きな声を上げながら抱き着きに行った。

「ま、ま…はっ?」

蘭ちゃんと竜ちゃんは「はっ?」と言い聞き間違いかと私と万ちゃんを見続けていた。一瞬今の気温が何度か下がったように思えたが、気の所為だろうと万ちゃんに話し掛ける。

「万ちゃん、今日はありがとう…万ちゃんが許可出してくれなかったら私ここに来れてなかったもの。ほら、春ちゃんって過保護だから…」
「ふはっ…どういたしまして、今日は俺達しかいないから好きに遊んでも構わねぇよ」
「うん!お言葉に甘えてそうさせて貰います!それでねぇ万ちゃん、背中塗ってくれない?」
「背中?」
「そう、日焼け止め。なんなら万ちゃんと塗り合いっこしようよ」

塗り合いっこ…?そう春千夜を始め、蘭や竜胆もえっ…羨ましいといった視線を向け続けていたりする。万次郎からすれば、ウチの可愛い妹分が余りにも危機管理能力が無さ過ぎて本当に心配になるな…と困惑気味で口を開く。

「俺は入る予定なかったんだけど…」
「えっ…入ってくれないの?」
「ん゙っ……はぁ、分かった、分かったからそんな悲しそうな顔すんなよ」

万ちゃんはため息と共に私から日焼け止めクリームを受け取ると「塗って上げるから、後ろ向いて」と声を掛けて来る。私は言われた通りに後ろを向いて、髪をまとめあげて前へ流すとどうぞと一言声を掛けた。

「んっ…ふふ、万ちゃんの手…冷たくて気持ちいい…」
「……はい、塗り終えたよ」
「ありがとう!それじゃあ万ちゃんにも塗って行くね?」
「俺はまだ良いかな、Tシャツ着てるし塗るとしても手足くらいだから自分で塗れるし」
「えっ、でも…」
「俺の事はいいから、先に行っておいで…また後でそっちに向かうからさ」

そう麦わら帽子越しに頭をぽんぽんと撫でられて伝えられるから、分かったと頷いて必ず来てね?と声を掛ける。分かったと頷く万ちゃんを見て笑うとプールまで一直線に駆けて行った。

ーーー

まだ夏は始まったばかりである。
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