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取り敢えずケーキが食べたいです【東卍夢(梵天)】

第5章 これだから色気のある人は苦手だ。


「なぁ、三途…お前いつもあの姿見てるんだよな」
「あ?まぁな」
「めっちゃ可愛くね?あんなちいせぇのに一生懸命掃除してさぁ…」
「そうだな」
「ーー…お前さ、本当にどこからあんないい子攫って来た訳?正直に言うけど、純粋過ぎてちょっと可笑しく見えるのは俺だけか?」
「……」
「俺が良く聞く女のイメージって、何もしないで男に養って貰うのが当たり前のワガママ女で、朝昼夕と飯食って基本寝てるとかっていう感じだったと思うんだけど…」
「……」
「それと…兄貴が栞の事調べたら、経歴が全くなかったんだよ。最初偽名かと思ったんだけど、見た所嘘をつけるタイプじゃねぇのは俺や兄貴が見ても明らかだったしさぁ…」
「……」
「もしかしたら出生届が出されていなくて親から虐待されていたとかも考えたけど、ちゃんと親から愛されて育てられた感じに見えたし頭も悪くねぇ…」
「つまり竜胆は何が言いてぇんだよ」
「俺、今から馬鹿な事言うけど…栞って別の世界から来たとかじゃねぇよな」

春ちゃんと竜ちゃんの話しを聞いていた私はピタリと掃除する手が止まった。どうしよう…春ちゃんは信じてくれたけど、普通に考えれば頭が可笑しいと思われても仕方ない事だった。私の顔色は悪くなるばかりで、これ以上二人の話しを聞くのが怖くなって私は逃げるように自室へと戻った。

「あっ」
「ひぇっ…ご、ごめんなさーー…っ」

そう言えば私の部屋、まだ蘭ちゃんがいたんだった。ドアを開けて入ったら蘭ちゃんが上半身裸でワイシャツに腕を通して着替えている最中に出会してしまう。顔全体が赤く染まり慌てて動揺しながら急いで出て行こうとすれば、いつの間にか私の後ろに蘭ちゃんがいてドアの部に触れ開けないようにしていた。
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