第16章 小さき眠り姫
あの後すぐに到着した警察と救急車によって、リツカと場地は救急車へと乗せられた。
一虎も救急隊員が事情を聞くため、ひとまず病院の付き添いとして2人と行くこととなった。
マイキー達は救急車の後をバイクで追いかけるが、みんなが病院に着いた頃には2人は救急車から下ろされ、2人を乗せたストレッチャーが手術室へと運ばれていた。
「意識レベル300!出血が酷い、輸血急げ!!」
「蒼葉六花さん!場地圭介さん!聞こえますか?」
「場地さん!蒼葉さん!お召し物切りますね!」
手術室から医者や看護師の声が聞こえ、不安を募らせる。
どうか無事であってくれ。何かの間違いであってくれ。悪い夢であってくれ。と現実から逃避したくなる。
「あの....」
おずおずとした様子で看護師がマイキーたちの前に現れる。
「あの女性の方のご家族の方は.....」
「は?女性.....?」
「え、ええ。白髪の女性です。」
ざわっと場がざわついた。
白髪。間違いない恐らくリツカの事だろう。
しかし、リツカが女だった事を知らない面々、マイキー、タケミチ、三ツ谷、一虎以外の隊員は驚いたような表情を浮かべていた。
「リッカが女?」
「リッカって女だったのかよ?」
「は?マジかよ.....」
「嘘だろ?あのリッカが!?」
「オイどういう事だよ!ドラケン!創設メンバーのオマエなら知ってんだろ!?どういう事だ!リッカが女って!」
「やめなよ!スマイリー!ドラケンだって何が何だかわかってないんだよ!」
「.....悪ぃ。アングリーの言う通りだ。俺も何が何だかわかんねぇ。」
「まさかオマエでも知らなかったのかよ.....」
「嘘だろ?創設メンバーさえ知らなかったのかよ。」
「オイ.....あの様子じゃ副総長も隊長達も知らなかったんじゃねーか!?」
「やべぇよ。隊長の1人が女?」
「だからいつも前に出て戦わなかったのかよ。」
「あ、あの......その......」
「っ!!テメーら!病院内だ!静かにしやがれ!」
我を取り戻したドラケンが東卍の面々に怒鳴る。