第5章 宗三左文字 / 触手パニック!? ★
「未知の無人島の調査?」
とある昼下がり。
本丸内の一室で、小夜左文字・宗三左文字と一緒にお茶を楽しんでいる時に、時の政府からの封筒を持った山姥切長義がやって来た。
どうやら最近、新しく無人島が発見されたらしく
その調査を依頼したい、との事らしい。
「…それは、刀剣男士のする仕事なのですか? 歴史改変とは関係ないのでしょう?」
ため息混じりに宗三は長義を見つめる。
すると長義もまた、盛大なため息を吐きながら額に手を持っていく。
「確かに歴史改変とは関係ないし、時間遡行軍がいるという報告もない。ただ、何かおかしな反応があるらしくてね…。それを調べて欲しいとウチに白羽の矢が立った、という訳だよ」
それから長義は書類に目を落としながら、概要を話してくれた。
・調査は任意であること。
・無人島は自然豊かな場所であること。
・人目線の感想も知りたいので審神者も同行すること。
(危険が無ければリゾート地開発したいらしい)
・調査してくれる場合は報奨金&資材プレゼントあり。
「…だ、そうだが…」
「行きたい!!!」
元気いっぱい挙手をする私に、宗三はため息を零す。
「正気ですか?」
「え、面白そうじゃん!? それに資材やお金も貰えるって言ってるし!!」
「そもそも、それが怪しいとは思い…」
「…兄さま…」
今まで黙って話を聞いていた小夜が、そっと宗三の裾を引いて
何か言いたげに宗三を見上げていた。
それに気づいた宗三は、私には絶対に向けない優しい顔で、小夜にどうしたのか聞いていた。
「その…。自然豊かな無人島には…、綺麗なお花の種とか…あるかな…?」
少し恥ずかしそうに尋ねる小夜に、一同のハートが撃ち抜かれた。
可愛い。可愛すぎる。なんだこれ天使じゃん…。
「そうですね、きっとあると思いますよ」
宗三は微笑みかけると、小夜はパァっと表情を明るくした。
そんな小夜を撫でた後、くるっとこっちを向いて。
「…と、いう訳で。僕とお小夜も同行します」
「さっき行くの反対してなかった?」
「さて。何の事でしょう?」
私には相分からずしれっとした態度でそう言い放ち
早速、時の政府に行くという事を伝えたのだった。