第1章 ぽっちゃり彼女
美穂子と会ったのは、俺の仕事場。
美穂子がバイトでうちの会社のソフトウェア開発に入ってきて。
新人だった俺と美穂子は、ペアを組まされて仕事をしていた時期があった。
後でわかったことだが、実は俺と同じ大学だったとか。恋次と知り合いだったとか。
まぁ…世間は狭いなって思った。
恋次の言うように、正直美穂子の第一印象は胸。
ぽっちゃりしていたけど、その胸の大きさに視線は吸い寄せられて。
一緒に仕事をしてみれば、なんというか女に対する印象が変わった感じがした。
それまで女っつーのはオシャレと化粧、スタイル。そんなもんにしか興味がない生き物だと思っていたからな。
けど、美穂子は例えば昨日のニュースの話、仕事の話が普通に出来た。頭の回転も速いから一緒に話していてストレスがなかった。
それが、今思えば俺にとってひとつのきっかけだったんだと思う。一緒にいて楽しい、もっと話をしたいって思えるような女はいなかったから。
で、いろいろあって…美穂子と付き合うようになって。
なんつーか、嵌まった。
ちょっと理屈っぽいところも、結構我慢とかしちゃうタイプで、気を使いすぎてストレスためちゃうところとかが可愛くて。
ふんわりとした抱き心地とか、ぷにゅぷにゅの胸とか、ピクンと反応する体とか。
とにかくいろんな意味であいつに嵌まっちまった。
だから、恋次が言うように太ってるとかどーでもいいんだよ。いや、逆に言えば少しくらい肉はあったほうがいいと思うくらい、俺はあいつに満足してる。
「よし、今日はショッピングしながら、触って堪能しよう」
俺はにやりと笑うと、車のドアを開けた。