第4章 【第三講 後半】そして棒倒し……
お登勢は教師陣に、ロボットを止めろと命令した。止める方法はあると源外は言う。
「でも、理事長先生、危ないですよ。やっぱり……」
ロボットを見上げながら、○○は不安そうに呟く。
「危ないのは百も承知さね。後はアンタら次第だよ」
○○は教師達に目を向ける。彼等は腹を括った。
そして、来た。巨大ハタロボットが、○○達のいる密集地帯へ、進路を変えてやって来た。
○○は足元を見て顔をしかめる。少し、マズイかもしれない。
高さ十メートルのロボット。頭上から隕石が降って来るかのように、右手が振り下ろされた。
新八と共に、ギリギリのところで○○はかわす。
「先生!」
五人の教師がロボットを止めるために奮闘を見せる。
残るは銀八。銀八が触角を引っ張れば、ロボットは停止する。
だが、その高さは十メートル。届くかと文句を垂れる銀八のところへ、風紀委員の面々が棒倒しの棒を運んで来た。
風紀委員、さらには神威や阿伏兎も土台となり、銀八を手伝う。
○○はギリリと歯を噛み締める。本当なら、自分も土台となってロボット停止作戦に貢献したい。だが、今の○○にはムリな注文だった。
黒い影が落ち、○○は顔を上げた。そこに見えたのは、鼻から蒸気を噴き出しているロボット。
「銀八先生!」
○○の声に反応し、銀八は顔を上げる。
「急がねえと!」
源外の声で、皆、一斉に動き出す。
○○はロボットを見上げた。その目が、怪しく光った。