第12章 【第八講】発売から随分経ってるから(略)作品がわからない
「いやー懐かしい。感動の最終回だったなコレ」
「え、先生。それ、この次号ですよね。最終回なんですか、この話の次で?」
○○は銀八の手元を覗き込むが、銀八は雑誌を頭上に避けた。
「おっと、先にそっちの号、読んでからにしろよ。先に見ちまうと後悔すんぞ」
銀八はいつになく真面目な表情で○○に勧告する。
死んだ魚のような目をした銀八はいない。ジャンプに関する時、銀八の瞳は真剣だ。
銀八の言う通り、続きが気になるからといって、漫画の続きを先に見ては楽しさが半減する可能性がある。
○○は自身の持つ号に再び目を落とした。
二人して、真剣にジャンプと向き合っている所に、
「君、こんなとこでなにやってんの?」
粘っこい声が降って来た。
「大掃除っすよ」
声の主に対し、銀八はジャンプを読みながら答える。
長期休みを前にし、銀魂高校は全校一斉に大掃除の時間を迎えていた。
3Zの生徒達にも、教室以外に特別教室や校舎周りの清掃が割り当てられている。
今頃、各々、我が学び舎をピカピカに磨く作業を行っているとかいないとか。